AppleのiOSとiPadOSの新しいバージョン17にはジャーナルアプリが含まれていることがアナウンスされていました。が、先日リリースされた正式版にはジャーナルアプリが含まれておらずどうやら遅れて登場するようです。バージョン17のリリースにこの記事が間に合わずこれはお蔵入りかと思いましたがしばしの猶予ができました。
ε=(￣o￣;A)
それにしても、iOS/iPadOS 17を紹介しているネット上のサイトやブログでこの件を取り上げている記事は以下の記事くらいです。扱いが小さい！。
なぜこのアプリの登場を待っているのかを整理してみました。
Day Oneとの出逢い
ジャーナルアプリは日々の出来事を記録したり、ちょっとしたメモを取るためにiPhone4を使い始めてまもなく見つけたBloom Built Inc社のDay Oneを使っています。
使用料はiOSとmacOSのApp Storeでは「無料」と表示されていますが、複数のジャーナル*1、デバイス間の同期他の機能は有料に設定されています。
これまで7年間使用してきて一度だけ往生したことがありましたが、iOS/iPadOS/macOSのアプリの中でもっとも使用しています。
気に入っている点
Day Oneを長く使い続けてきた理由は以下の3点です。
- 日記をつけるための機能がそろっている - エントリを作成したときの天候、場所が記録されます。子供の頃に夏休みの宿題だった絵日記を残り少ない夏休みでやっつけるときに一番苦労した作業を手助けしてくれます。
- 他のアプリとの連携する機能がそろっている - とくにSafariの拡張機能は読んでいるページをジャーナルに保存することができます。ブックマークをあちらこちらに保存して後で探し回るという惨事を防ぐことができます。
- 使っているすべてのデバイスで同じ使い方ができる - iOS、iPadOSとmacOS全てのApple製OSはもちろん最近ではAndroidとWebアプリ*2でも使うことができます。
首をかしげたくなる点はある
とても重宝していてもっとも使用するアプリではありますがこれはどうかな？なんなんだ？と思う点はあります。それは次の2点。
いただけない更新履歴の取得方法
エントリーの履歴がどのように作成されるのかを観察してみました。新しいエントリーを作り数文字入力します。そしてしばらくしてからバージョン履歴を開いたところ数え切れないほどの履歴があります。この間の操作は開き直してreturnとbackspaceキーを押しただけ。
この結果から想像するとどうやらreturnキーを押したときに履歴が取られるようです。この多量の履歴はいつ消去されるのでしょうか。編集メニューにはそのような操作を示すものはありませんからおそらくこのままでしょう。差分を取って記録するような動作ではないでしょうからこれではディスクを大量に消費*3していくことになります。
やはり編集メニューから「に移動…」を選んでコピーすると表示していたエントリがコピーされ履歴はありませんから、タイミングを見て新しいジャーナルを作ってコピー*4して元のエントリは消去して履歴も消去するという運用が不必要な履歴を残さないために良いのかもしれません。
更新のコミットをユーザに任せない
最近の文書編集のためのiOSアプリ全般が同じような傾向ですが、文書を作成したり編集する作業が終わったときに保存するのかそれとも破棄するのかの選択肢がDay Oneにもありません。かつてのDay Oneではエントリをタップしたときに編集するのかどうかを選択させるメッセージが表示されていたはずですが今はありません。
編集画面上にある「完了」ボタンはエントリの一覧に戻るためのみにあります。この時点で変更を反映するのかそれとも破棄するのかをユーザが選択できれば上に書いた膨大な量の履歴を取得する必要はないはずです。このような動作は操作の簡単さと機能を天秤にかけて決めることですがやはり不格好。
履歴とかコミットとか、このような単語が出てくるとジム グレイさんとアンドレアス ロイターさんの著書「トランザクション処理 概念と技法」を読み返してみたくなりますが、あまりの厚さに収納できず手放してしまい近隣の図書館にも在庫がなく幻の本になっています。残念。
改めて、iOS17に搭載されるジャーナルに期待する
2023年10月26日、前日のiOS 17.1の公開に続きジャーナルアプリが含まれるiOS 17.2のパブリックベータが公開されました。これは17.2.最初のパブリックベータでこのあと数回のアップデートの後に正式版が公開されるのは今年の12月頃でしょうか。さすがに、ベータ版を使ってみることまではしませんし、公開された後に即乗り換えるつもりもありませんが、複数のIDでジャーナルを共有できてさらにDay Oneの機能を網羅しているとしたら乗換を検討するに値するかと思います。
期待しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
