花の季節は過ぎてしまいましたが、白馬岳を周回してきました。
梅雨明け以降で混雑するだろうお盆前後を外す日程を狙いましたが、諸般の事情で8月20日となり残念ながら高山植物の短い花の季節を逃すことになってしまいました。また、今回の登山の直後に雪渓ルートが閉鎖されておりその点は幸運でした。
【白馬大雪渓通行止め】
— 北アルプス 登山情報 (@NorthernAlps) 2023年8月25日
8月27日の15時をもって大雪渓ルートは通行止めになります!
通行止めの区間は鑓温泉分岐から頂上宿舎までですので、大雪渓、お花畑へも近付く事は出来ません。
27日を待たずにクローズすることもあります pic.twitter.com/NHy8DW2xX5
計画を練る
日程設定は難しい
今年の夏山は白馬岳と昨年から決めていました。目的は白馬岳と八ヶ岳の横岳にしか咲かないツクモグサを見るためです。ツクモグサが咲くのは八ヶ岳で6月上旬*1、白馬岳では中旬頃のようです。白馬岳というと、白馬雪渓を上るルートがもっとも知られているルートでしょう。もちろん、栂池からのルートもありますがやはり日本三大雪渓のひとつを登って見ることにします。ただ、針ノ木雪渓は登ったことがあるものの、落石に注意を払いつつ登るという経験がありませんので予行演習に今年の盛夏の時期を選びました。
花の時期を逃しましが短い高山植物の開花時期と梅雨明け時期、加えて近頃の異常気象から「花を見るための登山にいい日」を設定するのはスーパーコンピュータを使った天気予報でも至難の業でしょう。やはり経験がものをいう。
初日は猿倉荘まで
今回は雪渓を登るために猿倉から入山し栂池に下るルートにしました。初日に八方尾根の麓まで行き、八方バスターミナルから猿倉までアルピコ交通のバスを利用します。下山後は栂池からやはりアルピコ交通のバスで八方バスターミナルまで戻ります。
アルピコ交通バスの時刻表はこちら。
早朝に東京を出ると登山口に着くのは昼前になります。雪渓末端にある白馬尻小屋が今年は営業していないので猿倉荘に前泊とすると初日はのんびりでよいのですが、中央道の渋滞(八王子までの混雑区間と韮崎付近の工事による)を避けるためにいつもの通りに早朝に出発することにしました。
今回は稜線歩きが主な目的で出番は少なかろうとGR IIIxは持ってきていません。
早出のおかげで滞りなく白馬まで走ることができました。それにしても安曇野インターで下りてからの道々にあるガソリンスタンドが掲示しているガソリンの値段の高いこと。
八方池までウォーミングアップ
白馬といえば八方尾根スキー場。1998年の長野オリンピックではアルペンスキー競技の高速系種目の会場になったピステ。そしてその麓にはジャンプ台のほか八方温泉、山岳写真架菊池哲男さんのギャラリーがあります。
登山装備を用意しているのですから昨年大雨に降られて通り過ぎるだけだった八方池に行くことにします。
行程
八方池山荘を出発
昨年はびしょ濡れになってたどりついたリフト。
ゴンドラとリフトを乗り継いで標高1,830メートルの八方池山荘の前に到着。便利なことこのうえなし。途中アルペンクワッドリフトから黒菱平を見おろすと林道を上ってきた車が多数。車高が高くない普通車も数多くいるのでさほどの悪路ではないのでしょう。
新しい木道で楽ちん!
混雑している山荘前の売店を横目で見て登山道に入ります。
唐松岳への登山道は八方池山荘を出発した直後にふたつに分かれます。一つは稜線歩きで景色はいいものの岩がゴロゴロで歩きにくい右回りコース。もう一つは木道の左回り迂回コース。登山のウォーミングアップには右回りコースがいいのかもしれませんが、初日に疲れてしまうのは嬉しくないので木道のコースを選びます。二つのルートは第二ケルン手前にあるトイレ付近で合流します。
標高2,005メートルにある第二ケルン。遭難した登山者の霊を慰めるために建立*2されたそうです。
標高2,035メートルの八方ケルン。
八方池への分岐に到着。晴れていれば唐松岳、不帰嶮の絶景スポットですが、残念。
今回もふられました
ガスというか雲で残念ながら白馬三山を望むことはできず、もちろん不帰嶮(かえらずのけん)の姿を写した湖面を見ることはできませんでした。それ以前に観光客の数が多くて人が入らない写真を撮ることは不可能かもしれません。昨年の大雨といい、白馬三山から嫌われているようです。
湖面は鏡のように滑らかです。下りる途中で咲いている花を1枚。
手前の花はカライトソウ、真ん中の紫の花はリンドウ、白い花はイワショウブです。
八方池にて
池の周りを一周します。何回か唐松岳に来ましたが、池が満水になっている光景を見るのは実は初めて。
池のほとりの道に力尽きたのか地面に落ちて動かない蝶、その周囲を心配するかのように飛び回るもう一頭。つがいなのか近づいても逃げる様子もなく地面に落ちている1頭を近くの草の上に置いてやるとついて来ました。カメラを構える猶予がありませんでしたがおそらくベニヒカゲでしょう。
池のほとりのベンチに座り昼食を摂る頃にはガスがここまで上がってきました。
池を背景に写真を撮るハイカーの方々が多数。
下山
登ってきた道を下ります。
五竜は雲の中。
来るたびに撮る長野オリンピック女子滑降競技のスタートハウス。つわものどもが夢の跡。
ゴンドラリフト「アダム」の山麓駅に到着。八方バスターミナルまで歩き、猿倉までバスで向かいます。
猿倉荘に到着。明日の朝までしばしのんびりすることにします。
アクティビティログなど
コース
ログ
やはり暑かった。
白馬岳周回ー第二日に続きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
*1:2021年に訪れたときの写真をflickrに掲載してあります - ツクモグサ(Pulsatilla nipponica) | LeFennec1765 | Flickr -